水彩画を描くにあたっての立ち向かい方、心構えについて日本と海外の違いを、私なりの偏見も込めて書いてみたいと思う。
特に、省略・単純化(≒抽象度)について考えてみると、
日本人は、 『それは、ちゃんと描けるようになってからの話。 まだまだそのレベルではない。』 というようなことを、教える側も、学ぶ側も信じ切っているように思えてならない。
社会を見渡すと、“〇〇道”の級や段の昇格、限られた組織の中での昇進等は歴然とあって、それを見て育った日本人は、どんな社会(世界)にもそれは共通してあり、階段を一つずつ着実に上るのが唯一の上達の道と思わされていないだろうか。
それに比べて海外の、とくにラテン系の人たちの水彩画作品を見ていると、プロアマ問わず、ハナから 『面倒なことはしないよ。作品が良ければいいんでしょ。描きたいとこだけ描きますよ。』 という声が聞こえてくるかのようだ。
水彩絵具の特性を生かし、抽象度の高い絵にするには、“ラテン系”の“いい加減”さや“適当”さが心地よく、不可欠な要素に思えてくる。
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決して手抜きをするわけではなく、真剣に“描かない”ことによって生じるであろう “抽象度” の意味を考えてみるのも大切なことなのではないだろうか。
これぞ 単純化~抽象化 のお手本!
《参考書籍》
彼の色、バルール、単純化はとても示唆に富んでいる。
具象に軸足を置きながらも抽象度は高い。
小気味良いほどの単純化・省略と切れのいい水使い、透明感のある色。常に抽象度は高い。
色もさることながら、水彩絵の具の特性を最大限に引き出しながら抽象度を上げていくイマジネーションは素晴らしい!
『木を見て森を見ず』
わたし流では
『木を描かず森を現す』 みたいなことかな…。
決して説明図を描いているのではない。
ディテイル(細部)描写のうまさを見せるために描いているわけではないのだから、蝋人形のような毛穴や髪の毛の細部描写に驚いているうちは、まだまだ… (笑)
こういうと、必ず 『それは描ける人が言うこと。私なんかまだまだちゃんと描けないから描けるようになってからの話です。』 という人がいるが、一体それはいつのことなんだろう。今始めても遅くないんじゃないのかな。
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