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塗り残し絵《改訂・再掲》 - Negative-painting is essential -

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ネガティブペインティング(※) は、水彩画の重要基本技法のひとつだ。
※輪郭の中を塗っていくのではなく、周りを塗って形を塗り残すこと。

 

 

そして、これは、“鮮度”を保つのに最も有効な技法のひとつでもある。

 

 

明るいものを浮き上がらせるためには、その後ろにあるものを上手に使って前にあるものを塗り残す必要がある。言いかえれば、描くべきものに触らず、周りを描くことで浮き上がらせるということでもある。 

 

塗り絵でなく、

塗り残し絵。

 

なぜなら、

 

透明水彩絵具は“透明”なので後から明るいところを描くわけにはいかないから。

 

 

 この場合、白い壁は正真正銘の“紙白”だ。 明るいものの後ろに何が来るかはその時々によって違うので、その都度の臨機応変な対応が必要になる。 この場合は木や隣のビルが有効となった。

 

 

 

白いものの後ろに何もない時はどうするのだろうか? 

 

 

例えば、空気。  空気(バック)で塗り残すという感覚。

白い陶器やカサブランカ。
奥の空間に奥行を感じながら塗り残した。
 

 

 

 

風景画の場合、ネガティブペインティングの効果を前面に出すためにわざわざ白いパラソルや白いヨットを探すときだってある。(笑)

 

 

image

 

水彩画の名所として白い壁の建物のサントリーニ島やカダケスが挙がるのも、テントやパラソルが好まれるのも、敢えて白いヨットを選ぶのも、花ならカサブランカが人気だったりするのも、きっと紙の白を塗り残して透明水彩画の可能性を最大限に引き出そうという意図が潜んでいると確信する。 少なくとも、私は“狙って”描いている。(笑)


これは“白いモノ”に限らず、明るいところ、光が当たったところすべてに当てはまる。要は、白の代わりにそれぞれの固有色を先に塗っておいて、それを塗り残すだけなのだ。

 

 

この考え方・手順によって、手数は格段に減って、“色の鮮度”は保たれるに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

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