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“気”を描く…《改訂・再掲》 - Paint the Aura… -

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ある仕事の打ち合わせでの話。
完成イメージを水彩画で描いてほしいというご依頼。
 
 
テーマは“気”だという。
 
以前から「透明水彩絵の具の特徴の一つは“雰囲気”を表わすのに適していることだ」と言ってきているので、「水彩画にぴったりですね!」と言うと、担当の方は、「よかった!抽象的なテーマなので難しいかと思ってました。」とのこと。
 
描く前から自分でハードルを上げてしまった感はあるが、何となくイメージは出来ているのでなんとかなるだろう(汗)
 
 
 
で、
 
真っ先に思い出したのは、中国蘇州での個展とワークショップを行った時の話。
 
 
あの時点で、ほぼ一年後に新型コロナで世界がこんな状況になるとは夢にも思わなかった…
 
 
この中国での6日間で、私なりに得たこと、気づいたことがたくさんあり、とても意義深い滞在となった。
 
 
その中の一つ。
 
水彩画の奥深さに気づかされ、
中国の歴史の重みを感じた一件。
 
 
 
今回のワークショップでは、手順、バルール、フォーカルポイントの重要性とともに、ネガティヴペインティングの重要性を強調して進行した。
 
二日目の講評の際、
物事は一方向からの見方でなく表裏の関係も大事だ。
いわゆるネガティヴペインティングで“描かずに”塗り残して浮き上がらせることも結局 “描くこと” だと話した。
 
『言うならば、“陰と陽”を意識して描くということかもしれない』 と言うと、ある受講生の方から 『“フーシー”(私にはそう聞こえた)のことでしょ?』 と一言。
 
通訳の陳さんも 『そうそう、“フーシー”のことですね。』 という。
 
興味を持って聞いてみると、『陰と陽のマーク知ってますか?白と黒の丸い…』
 
私が 『あぁ、陰陽道のやつね?』 というと、
『そうです。“フーシー”です。』
 
長年 “ネガティヴペインティング” については画塾でもカルチャーセンターでも啓蒙してきたつもりだが、太陰太極図(陰陽図)の話が出てきたことは一度もない。
 
 
太陰太極図(陰陽図)

 

 

 

そういえば日本には、“ネガティヴペインティング”に匹敵する言葉がない。いつも説明する時に困っていた。

強いて言えば“塗り残しの技法”だが、これではただの説明に過ぎない。 

 

その点、中国にはネガティヴペインティングに“フーシー”という思想的な裏付けがありそうな名前がついている。水墨の文化なのかな? とその時は思い、やっぱり中国は奥深いなぁと思ったにとどまった。

 

 

 

その日のワークショップを終え、夕食を頂きホテルに戻ってシャワーを浴びながらふと思った。

 

 

 

 

 

 

ひょっとして “フーシー” って “風水”?

 

透明水彩画の塗り残しの技法は、“風水”の思想を含んでいるといえるのかもしれない!

 

 

翌日、通訳の陳さんに『"フーシー”って風水のこと?』 と 聞くと、こともなげに 『はい、そうですよ。』 とのこと。

 

 

 

確かに “陰陽合一”

 

闇は光によって生かされ、

光は闇によって生かされる。

 

 

 

水彩画を描いていると本当にそう思う!

 

中国、恐るべし! 

 

また一つ、水彩画が好きになった!

 

 

 

 

 

【関連記事】

雰囲気のある絵をかくために

【参考サイト】
陰陽とは - コトバンク

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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