Quantcast
Channel: 塾長の日記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2748

なんでそんなに描くの? - Why do you paint too much? -

$
0
0

『ついつい描き過ぎて濁ってしまうのですが、 何かいい解決方法はありませんか?』

という相談をどこに行っても受ける。 

 

image

 

簡単。 描かなければいいのだ。 

描き過ぎたのだから、描かなければ解決なのだ ・ ・ ・ 

 

というのは、ちょっと簡単に片付けすぎか。

 

まず、対象に向かった時にどう考えるか、で結果は大きく違ってくると思う。

 

 つまり、 

 

『さぁ、これをどう描こうかな。』と考えるか、
『さぁ、これをどう描かないでおこうかな。』 と考えるか。

 

こう言うと、『それは描ける人の言葉。描けるようになってからでしょ。』 と片付ける人がいる。

それを聞くたびに私は思う。  

『いつ描けるようになるのですか?』 

 

 

“描かないこと”も“描くこと”のうち。
省略や取捨選択が自在にできることは、同時進行で勉強していかないと

“ただの全部描く人”になってしまうのではないだろうか? 

 

 

さて、描き過ぎてしまう理由はいろいろあると思うが、 私は、
『自分の腕に“自信”があるから』 だと思っている。
イメージも計画性もないまま 『描いていれば、なんとかなるだろう』 という根拠のない“自信”だ。 

 

ハッキリ言って、透明水彩画に関してはそれではどうにもならない。 

 

もう一つは、透明水彩絵具の特性を誤解しているからかもしれない。 

 

『透明水彩は薄い色を重ねて濃くしていくものだ』 と思っていないだろうか? 

 

だから手数が増えて濁るのだと思う。 

 

 

 

 

“描かない”とはいっても、何もしないわけにはいかないわけだから、

“どこを、どう描かないか” が重要になる。 

 

まず、“どこを”だが、 

私の場合は、おおざっぱに言うと、
①主役以外(もちろん序列はあるが)
②よく見えないところ(陰の中とか)
③いらないところ(容赦なく切り捨て)   

 

描くところと描かないところのメリハリを効かせるのが主な目的なので、
意識は常に“鳥の目”で、主役の周辺は“虫の目”で!


描けば描くほど“差異”がハッキリしてくるように心がけている。
(これを“描き込み”と言う)

全体が見えていないと、描けば描くほど全体が同じ調子、同じタッチ、同じ手数になってきてドロドロになってしまいがち。(これを“描き過ぎ”という)

 

 

 

“描かない”といっても、いろいろある。

そのバリエーションは描いて行く中で工夫しながら増やしていくとして、

まずは差異に気づく意識が先だと思っている。

 

 

 

 

もしこれを読んで、『上級者の言う事。描けるようになってから。』というアマチュアの方や、
『10年早い!』と言う指導者の方がいたら、 お尋ねしたい。


『今後、そんなに時間はあるんですか? 

10年後、どうなりたい? 

描かないことも描くことのうちではないの? 

同時進行ではないですか?』

 

 
 
 
 
 
 

【ワークショップ情報】

▶︎1月20日(土)NHKランドマーク教室  

おかげさまで、キャンセル待ち受付中!

▶︎次回、関西のワークショップは4月の個展などのため6月ごろになります。
▶︎来年の秋ごろ関空発の海外スケッチツアーを計画中です。決定次第詳しく掲載します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お知らせ

++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

開催中!

笠井一男 水彩画 展

11月21日(火)~12月14日(木) 
神奈川県立相模湖交流センター

 

ご縁があって、昨年に引き続き、相模湖畔のゆったりしたギャラリーで個展を開催させていただくことになりました。 水彩画約30点を展示します。

紅葉の相模湖のスケッチがてら、ご高覧いただければ嬉しいです。

 

 

 

 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

初の作品集

好評発売中!(2017年最新刊)

ウォッシュから始める水彩風景  劇的に絵が変わる7つの方法
(グラフィック社刊)

<P38>の “7つのインデックス” を中心にページを繰っていただくとより理解が進むようにできています!

 

👇クリック
ウォッシュから始める水彩風景  劇的に絵が変わる7つの方法

初めての作品集です。 横浜画塾開講15年の節目に最近作を中心に92点の作品(そのうち28点はプロセス説解説付き)をご覧いただけます。

 

 

 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

■好評発売中

水彩手順トレーニング 実例 全スタイルとレッスン  (グラフィック社刊)    
B5(257mm×182mm) 112ページ(オールカラー) 定価;1,944円(本体1,800円)    

 

 

 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++

■好評発売中!

『 水彩風景 プロの手順 - なにを・どの段階で描くか - 』    (グラフィック社刊)    
B5(257mm×182mm) 112ページ(オールカラー) 定価;1,944円(本体1,800円)    
$塾長の日記 

 


 

 

 

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2748

Trending Articles