昨日の記事にも関係のある、触り過ぎてはいけないもう一つの理由。
『“ 色の三要素”は聞いたことあるが、“色の四要素”は知らないなぁ』 という人がほとんど・・・というか全員そうだろう。
なぜなら、私が勝手に作ったから。(笑)
一般的に色の三要素とは、色相(色合い) ・彩度(鮮やかさ) ・明度(明るさ)のことを言うが、水彩画に限って言えば、もう一つ、“鮮度”という重要な要素があると思っている。
海外の水彩画の書籍やサイトではたびたび目にする色についての “FRESHNESS”に相当する記述を日本ではまったく目にしないので、私は“鮮度”と命名して水彩画の色の重要要素に加えたいと思う。
※同じ“鮮度”でも、「新しい・古い」 という意味での“モチーフの鮮度”とか“絵の具の鮮度”という意味ではないので、お間違えなく。
【参考記述】
A good piece of watercolor is expressed by heavy washes, calligraphic lines, forceful spirals, luminosity of colors, and chromatic freshness. (Kwan Y. Jung)
水彩画のいい作品は、重厚なウォッシュ(塗り)、書道の筆さばき、効果的な螺旋、色の輝き、色彩の鮮度で表現されている。(クァン・Y・ジュン)
Watercolor is a wonderful medium because of its freshness, transparency, spontaneity, movement, and vibrancy. ... of the water both while painting, as well as after drying when brush stokes and color will slightly change. (Bob Moody)
水彩画は素晴らしい絵の具。 それは、その鮮度、透明性、自然感、動き、および活力による。そして、塗装中にも乾燥後にも筆跡や色が微妙に変化するら。(ボブ・ムーディー)
ここでいう“鮮度”とは何を差しているか…
“発色と絵の具の層の相関” と言えばいいのかなぁ。
『白い紙に一度塗った色が最も“鮮度”が高い』 ということだと思う。
何度も塗って発色が良くなるのと、一回で発色が良いのとは全く違うと言うことと理解する
また、発色と言っても、彩度の高い派手な色だけを差すのではない。何色混ぜても白い紙に一回なら、透明感があって渋くてきれいな色といえる。
例えば、赤いブーゲンビリアを描くときに薄い赤を何回も重ねて描いた時と、濃い赤を一回で塗った時では、明らかに一回の方が“鮮度”が高いということだ。
ファーストウォッシュでブーゲンビリアの濃い赤と白壁の陰を入れて、
できるだけ最後まで触らないように…
いくら、色の三要素(色相・彩度・明度)の調整がうまくいき(バルールが合い)一見“上手”な絵も、何重にも塗り重ね、“色の鮮度”が落ちてしまっていたらその作品価値はゼロといってもいいと思う。
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