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紙の上で動く絵の具《改訂・再掲》-Pigments moving on paper-

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今まで水の効果と活かし方などについて書いてきた。

なぜ私が “水使い” を重要と考えているかをまとめておきたいと思う。

 

 

大前提として、絵は筆で描くものと決めつけているような人が多いが…

 

 

私は、基本的に何を使って描いても“結果オーライ”を前提に・・・

というか、いい結果を導き出すためには手段を選ばないつもりでいる。 

 

 

特に、水彩は紙の上で動く絵の具だから、

自然の力(水・空気・重力など)をうまく味方に付けることによって、無限の可能性が広がるのが楽しい!

 

私は、筆でこねくり回してなんとかねじ伏せられるほどの“腕”はないと思っている

だからこそ、できるだけ水や紙に仕事をしてもらうようにする。 

 

自然の力にはハナから降伏しているので。 

 

 

 

そう考えると、ある時、筆は単なる絵の具と水の供給用の道具になったりする。

大量に必要な時は直接パレットや解き皿から紙に持っていったほうがいい結果になったり…。

 

もし、あなたが“適量”の絵の具を用意して、ある面積を塗り終わったらちょうど絵の具がなくなったとしたら、それは“適量”ではなく“不足”していると思う。それでは水は仕事をしてくれていないだろう。 

 

 

 

筆には垂れるほど、パレットには十分余るほど絵の具を準備して紙の上を流れるようにしてあげて初めて水が仕事をしてくれるのだと思っている。

ウォッシュのコツはこれにつきる。 

 

 

 

 

 

この作家たちのやっていることが何かを示唆しているように思う。

 

 

エンドレ・ペノヴァック 作

 

エンドレ・ぺノヴァック氏 慎重に繊細に水をコントロールしている。

 

 

 

ヴィクトリア・プリシェドコ氏  彼女の絵は紛れもない‟みずえ‟。

 

 

イリヤ・ブリアエフ氏がやっているのは、絵の具や水を紙の上に供給するだけ。

 

 

 

 

 

“水と絵の具に仕事をしてもらう”ということは、水(と絵の具)が描き手の意思とはシンクロしない(思い通りにならない)ということでもある。 

 

思いもよらない“流れ方”“滲み方”“飛び散り方”“混ざり方”…  

それを利用してこその水彩画だと思っている。 

 

神様が仕事をしてくれているのを邪魔してはいけないのだと思う。

それでも触るのは、よほど自分の腕(筆)に自信があるということなのだろう。 (*´Д`)

 

 

でも、筆でこね回して 『頑張ればなんとかなる。』 と思っても、ならないんだよなぁ、これが。 

自分の腕(筆)が思い通りになるように、先の揃う小さ目の筆でチョコチョコタッチを重ねているようでは水が仕事をしてくれないということ 

 

 

 

水彩画では、一枚の過程の中で “頑張る” と罠にはまる。 書道と一緒だね。 

 

頑張るなら、枚数で! 

 

 

 

水彩画、勇気と我慢と成り行き任せ 

 

直さず、触らず、掻き混ぜない

 

 

 

 

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