“抽象”という言葉を聞いただけで拒否反応を起こす人も多いのではないか。
理解不能な難しいことという先入観があるからかもしれない。
※それは、“抽象度を上げること=難解なもの→専門家の仕事” として地位の保全をしようとする “似非(えせ)知識人” がいらん事を言ってるからなのかな。
本当の知識人は、難しいことを簡単に言えるだろう。
私は全く逆で、“抽象”というのはモノ・コトの枝葉を削ぎ落とし、本質を抽出することによって、モノ・コトのエキスを受け入れ易くすることではないかと思っている。
私はこのブログでも大切なものを活かすために、 “敢えて描かない”とか “ABANDON”とか “どう描くかより、どう描かないか” が大事と何度も言ってきた。
この作家たちの作品を見ていただければ、きっと説明はいらないのではないだろうか?
これぞ 単純化~抽象化 のお手本!
一人目は、
Piet Lap 氏
小気味良いほどの単純化・省略と切れのいい水使い、透明感のある色。
常に抽象度は高い。
大胆不敵。見事な簡略化・単純化・省略… というより、もう自分の中の世界が表出している感じ。あるいはもはや抽象化(アブストラクト)が進み昇華された世界。
最近の最もお気に入りの作家。
なんでもない室内の一角を、光(陰)を頼りに空気ごと描いているだけなのに、生み出す空間はとても深く意味を持って迫ってくる。
もう一人は、 私の心の師、西丸式人氏。
小気味良いほどの単純化・省略と切れのいい筆使い、透明感のある色… 本当に観ていて感嘆しきり。
Norito Saimaru
さらに、尊敬する中国の作家 Ping Long (平龍) 氏。
彼の水彩画はたいへん抽象度が高いと思う。私が最も理想とする方向性を示唆してくれている。
彼らの作品の “抽象度” はとても高い!
これぞ“水彩画の極意!”と唸ってしまう。
表象を写し取るのでなく、観察の後に理解・発見が進み、本質を見抜き、単純化・簡素化が究極に達すると、そこには抽象の美が見出されるのか…!
改めて彼らの作品を見るにつけ、
抽象度を上げるということは、本質を炙り出し、分かり易くシンプルに表現することだと思う。
説明するのではなく、
感じさせることが大事なんじゃないかな。
井上ひさし氏の名言
『むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、
おもしろいことをまじめに、
まじめなことをゆかいに、
そしてゆかいなことはあくまでゆかいに』
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