水彩画らしい表現をしたいのであれば、さまざまある水彩絵具の特徴を知っておく必要がある。
その中の一つ、“濃度”について記しておきたい。
透明水彩絵具は、
1. 水を塗ってから塗ると、当然、薄まる。
2.乾くと薄くなる。
3.周りに暗い色があると、薄く見える。
だから、その乾いた時を想定した上で、今塗る絵の具の濃度を決める必要がある。
その濃度は、予想をはるかに上回る濃さの場合が多いので、三段階先を読むためには豊富な経験を裏付けとした自信と勇気が必要だ。
とりあえず薄い色を塗っておいて、重ね塗りでだんだん濃くしていくのではない。
少ない手数で切れのいい、鮮度の高い作品に仕上げるためには、一気に濃い色を置くことは避けられないということ。
一回目の色が最後まで使える濃度であることが、色の鮮度を保つことにも、筆数を減らすことにもつながる。
新緑や紅葉を描く時に特に顕著だと思う。
薄い色から始めていては透明で鮮やかな新緑や紅葉は表わせない。
何度も同じ色を重ねてしまっては色の"鮮度”は落ちてしまう。
また、自然現象や錯覚によって思った以上に色は薄くなっていくことを体感的にわかっておくことが必要になる。
例えば、上記3の「暗い色があると薄く見える」ことの説明。
同じ色・同じ明度の色を塗っても周りの色によって全く違う色に見えたりする。
真ん中の帯はおなじ色だが、周りにある色によって濃さ(暗さ)が違って見えないだろうか?
これらの理由で、
私は一回目(ファーストウォッシュ)で、錯覚や思い込みに惑わされず、最後まで生かせる色をしっかり入れておくことがとても重要だと思っている。
水彩画専用 Twitter
作品公開中 Instagram
-
お知らせ
+++++++++++++++++++++++++++++++++
受講者(若干名)募集中!
詳細およびお申込みは
TEL ; 03-3409-2661
+++++++++++++++++++++++++++++++++
■NHK文化センター 青山教室
笠井一男 水彩技法デモンストレーション
講評会風景
1回3時間のデモンストレーション中心の対面講座。
横浜ランドマーク教室で開講していたワークショップの復活です!
基本技法とその技法を使った作品制作プラス実技指導をします。
++++++++++++++++++++++++++
『水彩風景 シーン別でわかる 手順百科』 (グラフィック社刊)
笠井一男・著 定価¥2,200.-(税込み)
表紙
++++++++++++++++++++++++++++++
■既刊本も好評発売中!
● 『ウォッシュから始める水彩風景 劇的に絵が変わる7つの方法』
(グラフィック社刊)
B5(257mm×182mm) 112ページ(オールカラー) 定価;1,944円(本体1,800円)
● 『水彩風景 プロの手順 - なにを・どの段階で描くか -』
(グラフィック社刊)
B5(257mm×182mm) 112ページ(オールカラー) 定価;1,944円(本体1,800円)
■ 横浜画塾
〒224-0032 横浜市都筑区茅ケ崎中央 40-3 グランクレール センター南1F
最寄り駅; 横浜市営地下鉄 センター南駅 徒歩4分
Mail; y.gajuku@gmail.com