水彩画は油絵の下という認識、
止めてもらえますか?
その昔、日本では水彩画はとても軽く扱われ、美術作品としての地位はないに等しかったと聞きます。
その理由の一つは、“油絵のラフスケッチ用”のような扱いで、“重厚長大”を珍重してきた日本独特の価値観ゆえ、低く見られていたのかもしれません。
そして、二つ目の理由は、画材が手軽で安価、短時間で描けて手間がかからないことが“価値が低い”という根拠になっているのではないでしょうか。
良く考えれば(よく考えなくても)絵描きが時給制なわけはなく、時間をかけたからとか、手間がかかっているからとか、材料費が高いから価値があるというような次元の低い話でことが決まってきたということでしょう。
塾長の一言 『水彩画と油画の価値に差はない。』
ところが、最近は油絵より気楽に楽しめて、しかも奥の深い水彩に人気が集まってきました。銀座の老舗画廊が昔のことはなかったことにして、水彩画を手掛けるようになったのが象徴的ですね。
経済が停滞し、マネーゲームに終止符が打たれた途端、美術そのものが取りざたされなくなるなんてことは、あってはならないことだと思いますが、バブル崩壊以降、日本の美術は停滞しっぱなしです。そして、たぶん今の美術の中心は中国で、日本は完全に蚊帳の外という状況だと思います。
すでに、中国も景気の行き詰まりによって陰りがみえていますが…。
でも、日本がそんなこんなでモタモタしているうちに、世界の水彩シーンは大きく進化していたようです。私もフェイスブックを始めて気付きました。
今、世界の水彩画界の相関図は劇的に変化をしています。水彩画の魅力が理解され人気が集中してきていることを実感しています。
一方で、経済動向とシンクロした美術動向に私は興味はありませんし、自分の表現と経済(利害)あるいは組織(所属)は一線を画すべきものと思っています。
そういう意味で、
インディーズ(Independent)こそ絵描きのあり方だと思えてなりません。
※宮廷画家や、パトロネージュの例をを引き合いに出される方もいるかもしれませんが、まったく別ですね。今は経済中心で動いていますから、そこに“心”は希薄です。 パトロネージュ的精神も、バブル期の税金対策としての“メセナ”のように、一過性のものしか成立しない時代だと思います。
※この絵と記事の内容は特に関係ありません。 (^^ゞ
等身大で、純粋に自分らしい作品を作ることに時間と労力を使えることがどれだけ貴重なことか。
経済取引、人間関係、組織の規律から自由になってこそ、美術という高度な遊びは自分のものになるんだと思います。
そして、
水彩画はそれらのしがらみにまだ犯されていない“聖域”に一番近い条件がそろっていると確信します。
※誰とは言いませんが、せっかくの“聖域”に過去の古い美術界の悪習を持ちこむなんて笑止千万です。(*^^)v
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