消せる紙(修正可能)というのは、おおむねウッドパルプ系(以下、パルプ系)の紙のことを言っているのだと思います。値段も手ごろで、画材屋さんなら何かしらのパルプ系水彩紙は置いているので手に入りやすいという意味では“初心者向け”というのもうなづけます。
一方で、コットンパルプ系(以下、コットン系)は高価ですし、絵具の浸透もスムーズなので乾くと洗い流すことは難しくなります。つまり、修正できない紙ということですね。画材屋さんも高級紙として初心者には勧めないかもしれません。
本当に、パルプ系は初心者向き、コットン系は上級者向きということなのでしょうか?
私の見解は違います。
洗い落せるということは、サイジング(ドーサ引き)が強く絵具が紙の上に張り付いているだけなので、一度乾いてもこすると解けるということでもあるわけですから、乾いていても二回目以降の色を捏ねずに置くように確実に決めて行かなければならないということだと思います。
ハッキリ言って、これは“上級の技”です。
反対に、高価ではありますがコットン系の紙はある程度絵具が染み込んで、乾いた時には洗い流せない状態になっていますから、二回目以降の色をのせても最初の色が溶ける量は格段に少なくなります。つまり、濁ったり筆の跡がドロドロする危険は少ないということだと思います。
そういう意味では、コットン系の方が“初心者向き”なのではないでしょうか。
そもそも、“乾いてから洗って直す”とか“乾いてから溶かしてふき取る”というのは、“最後の手段”であって、最初から“修正”ありきで進めていては色は濁るばかりだと思います。

アルシュ コットン100%

ワトソン コットン+パルプ

ホワイトワトソン コットン+パルプ

ラングトン パルプ100%

モンバルキャンソン パルプ100%
私は、絵の具より、筆より、紙が最も仕上がりに影響すると思っています。
お知らせ
++++++++++++++++++++++++++++++++++
第10回 横浜画塾展 - 節目の大水彩画展 -
9月26日(火)~10月2日(月) (初日は14:00から、最終日は16:00まで)
横浜市民ギャラリーあざみ野 ( 1F/2F )
全塾生の一年半の成果の集大成を、250点超の作品でご高覧いただきます。
++++++++++++++++++++++++++++++++++
初の作品集
好評発売中!(2017年最新刊)
『ウォッシュから始める水彩風景 劇的に絵が変わる7つの方法』
(グラフィック社刊)
<P38>の “7つのインデックス” を中心にページを繰っていただくとより理解が進むようにできています!
👇クリック
『ウォッシュから始める水彩風景 劇的に絵が変わる7つの方法』
初めての作品集です。 横浜画塾開講15年の節目に最近作を中心に92点の作品(そのうち28点はプロセス説解説付き)をご覧いただけます。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
■好評発売中
『水彩手順トレーニング 実例 全スタイルとレッスン』 (グラフィック社刊)
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++
■好評発売中!
『 水彩風景 プロの手順 - なにを・どの段階で描くか - 』 (グラフィック社刊)
B5(257mm×182mm) 112ページ(オールカラー) 定価;1,890円(本体1,800円)
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
■塾生募集!(若干名)
詳しくは、こちらにご連絡ください。
TEL; 045-942-7331
Mail; info@y-gajuku.com