私は、風景でも静物でも人物でも、“光と影(陰)” を感じて描くようにしている。
至極トラディッショナルであって、斬新ではないかもしれない。
一方で、普遍的で無理のない、真っ当な見方ともいえる。
四季折々、時々刻々、東西南北、の光がそれぞれ個性があって好きだ。
スケッチツアーで毎年海外に講師として行く機会をいただいているが、やはりいい季節に企画されるので春か秋、概ね 5月か10月ということが多い。
ということで、5月と10月の“光”を比べてみようと思う。
春分の日(3月20日) と 秋分の日(9月22日) は太陽の角度は同じである。
5月は春分の日から約2ヶ月夏寄り(太陽が高くなる)で、10月は秋分の日から1ヶ月冬寄り(太陽が低くなる)ということになることから、5月と10月では太陽の高さに差が出てくる。
この差によって、
スケッチするにあたって大きな違いが生じることになる。
私が撮ったベネチアの写真を比べてみた。
30分違いだが太陽の角度(影の長さ)に差があるのがわかる。
6月22日 12時半頃 12:30, 22/Jun 太陽高度 約 63度
※5月にベニスには行っていないので6月の写真で比較する。
10月16日 午後1時頃 13:00, 16/Oct 太陽高度 約 29度
光の強さ・方向の好みについては個人差があるので何とも言えないが、私なりにそれぞれの特徴をスケッチャーの視点から挙げてみたのが下記の表。
というわけで、ヨーロッパの場合、比較的年齢層の高いスケッチ旅行は、体力的な面を考慮し、光と影の雰囲気のある絵を描く事を目的とすれば、秋(10月頃)がお勧めかもしれない。
もちろん、明暗のはっきりした開放感あふれる絵を描きたい、たっぷり描く時間を確保したいというのであれば5月がお勧め!
一般的な観光シーズンとは一線を画すのもまた事実のようだ。
【参考サイト】
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何かの参考にしていただけたらと思う。
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