絵の描き手は、自分の絵にとっての“監督”や“指揮者”と言っていいだろう。
原作や原曲を“解釈”し、“演出”して作品にしていくのが“監督”や“指揮者”であると同様に、絵を描く人はその絵に関しての全権を握る“独裁者”だ。
絵の中に限っては、民主主義は成り立たない。絶対的な独裁者(作者)が思いのままに依怙贔屓し、誰とも協議せず勝手に描いてもいい。その際、現実を捻じ曲げても構わない。いわゆるアーティスティック・ライセンス(詩的許容または芸術的許容)と言われる特権だ。
※これを現実社会でやるとサイコパスだし、政治の世界でやると某総理のようになるからお勧めしない。
絵は基本的に、
どう描いても自由だし、
失敗しても誰も困らない。
“素顔のまま”ということで、“原作”に忠実に、あるいは“オリジナル・スコア”に忠実に、という選択肢もあるが、そこに“自分”を介在させる方が創造的だし、なにより達成感や充実感があって私は好きだ。
絵も、“観たまま”をそのまま描くのもいいが、
“上手”か“下手”かだけになってしまう。
もし絵がそれだけだったら、つまらないと思う。
ちょっと“自分”の解釈と演出を加え、自分が観たい絵、見せたい絵ができたらうれしさひとしおだと思うが、いかがだろうか?
大雨のNYタイムズスクエア。晴れた日に現場でも描いたが人が多すぎて途中で断念。雨の方が都会の情緒を表現できるのでは?と思い、ほぼ“演出”で描いてみた。
実際には快晴で視界良好でも、“空気の可視化”によってスケール感を演出するのも楽しい。
※私は写真を参考にして描くこともある。でもそれは“写し取る”ために使うのではなく、“良い絵”を描くための“参考”として使っている。
絵を見た瞬間に“元の写真”を連想させるような絵は面白くないと思っている。
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