昨日の話にも通じる件だと思うので再掲しておく。
“不気味の谷現象”をご存知だろうか?
以前、あるテレビ番組でディズニーCGアニメのプロダクション、ピクサー社のルポがあり、ジョン・ラセター氏(現クリエイティブ担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント)がキャラクター作りの解説の中で“不気味の谷”について話していて、とても興味深く聞いた記憶がある。
※参考 不気味の谷 ヒューマノイドの姿やしぐさをどんどん人間に似せていく場合、ある程度までは親近感が増すが、人間にかなり近づいたところで急に不気味さや嫌悪感が出てくる。この現象を森政弘・東工大名誉教授らが「不気味の谷」と名付けた。この谷を越えて人間に似せていくと、今度は急速に親近感が増す。「思考中に視線をそらす」といったヒトにとって当たり前のしぐさの有無が、非常に大きな要素だという。 (築地達郎 龍谷大学准教授 / 2007年)
これは絵にも同じようなことが言えるのではないか。
少し前、“写真のような絵”がもてはやされた時期があった。
リアルさを競うことから“技術的競争”の様相が強まり、“本来の美術的意味”とは一線を隔す存在になってしまった。
毛穴まで克明に描かれた“リアリズム”作品は、(以前にも書いたが)良くできた“蝋人形”を見たときとほぼ同じ“見世物小屋”見学的感覚に襲われる。
もちろん、中には対象の本質を掘り起したような“本当のリアリズム”もあるとは思うが、ほとんどの“ハンパなリアリズム”は“不気味の谷”または“秘宝館の谷”に陥っているように思えてならない。
ただ実物そっくりなだけの絵を目指していると、知らないうちに “不気味の谷” に落ちているかもしれないので気を付けてね。
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